プロジェクトオーナー
10年間NPOでひきこもり・ニート等の若者支援を経験し、2009年5月に株式会社シェアするココロ設立。ソーシャル・プランナーとして、「バイターン」をはじめ社会的課題を解決のするための仕組み作りと実践を行い、ノウハウやスキル、アイデアをシェアすることで若者の自立に貢献していきます！2014年にバイターンを全国にひろげ、既存のフレーム（枠組み）では収まり切れずに社会的弱者となるリスクの高い若者たちと、枠の外に追いやられ、枠の中に入ることができなくなってしまった若者たちが、みんなフレーム・インできるパノラマ写真のような社会を築き、誰もが活きいきと暮らせる社会を築くため、NPO法人パノラマを設立(横浜市に申請中)
。
相談員のファッションは、相談者にとって重要な非言語情報なんです。
2014年11月6日
クラウドファンディングにチャレンジ中、このブログでは皆さんに馴染みがないであろう若年者就労支援というものの実際や、ニート・ひきこもりの青年たちについての理解が深まるコラムのようなものをできるだけ毎日書いてきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、皆さんは、プロの相談員に相談をしたことがありますか？
ぼくは一度、起業する際に中小企業診断士という方に相談したことがあります。
結果的に、相談して良かったのですが、相談する前には「どんな人だろう？社会的起業とか、そういうことに理解を示してくれるかな？」と気を揉みました。
ぼくはそこで、スーツを来たスクエアな感じの中年のおじさんに、軽いお説教をされてしまったのです（詳細は割愛しますが、このお説教が僕を株式会社で起業させるきっかけを作った）。
やっぱダメだな、ああいう人には俺の考えは理解できない。ぼくはそんなことを考え建物を後にしました。
ここでいう“ああいう人”というのは「スーツを来たスクエアな感じの中年のおじさん」というただの印象だけど、ナーヴァスになった相談者は、重要な視覚的説得力をそこに見出してしまうものです。
私は月二回、横浜市就職サポートセンター（以下就サポ）の相談員とスーパーバイザー（相談員の相談受ける）をお引き受けしていて、昨日がその日でした。
就サポは、株式会社パソナさんが横浜市から受託した相談事業で、横浜駅西口にあるビルの16階にあるパソナ横浜支店の中にあります。
男性はみんなネクタイ締めてスーツです。ちなみに昨日のぼくはジーンズに着古したセーターでした。ちなみに僕の仕事選びの基準は、①音楽が聴ける。②スーツを着なくていい。③上司が尊敬できる、です（笑）。
相談室にクライエント（相談者）を案内するなり、クライエントは不思議そうな顔で、「あなたはパソナの社員ではないんですか？」と、僕の服装を見て質問してきました。
この方は、ぼくの前に、他の相談員３名と面談し、誰が自分と一番相性が合うかということをしていました（こういうことは珍しいです）。
「違うんですよ、ぼくはここに雇われてる専門家なんです」と、ぼくはそう答えました。
クライエントは、「どおりで他の人と雰囲気が全然違うと思った。あなたはカジュアルで自由な感じがするから、なにか新しいアドバイスがもらえそうだ」とクライエントは満足げに言ました。
この会話で私はクライエントとラポール（信頼関係）は形成されたと思います。（普通ここに初回の1時間は費やされる）。案の定、その後の相談はとても和気あいあいと進み、その方は、ぼくを指名し予約をしていきました。
この話で何が言いたいかというと、スーツがダメという話ではなく、クライエントは相談員のファッションなど非言語要素から、多くの情報を得て、自分にとって有益な人かどうかを判断しようとしているということです。
勿論、この方が大手企業に勤めていて、キャリアアップのための相談に来ていたら「こいつで大丈夫なのか？」とぼくは訝しんだでしょう。要するに、相談したい主訴と、相談員のファッションというのは近い方がいい、ということです。
ですので、若年者就労支援の現場に行くと、誰がスタッフで誰が利用者かわからないということがしばし起きるのです（笑）。
社会経験の浅い若者たちは、ネクタイにスーツを着た大人が苦手ですし、逆に社会経験の豊富な常識人からは、ぼくは非常識に写るでしょう。
では、高校生にとってどんな相談員が理想なのか？どんな空間が理想なのか？
次回はそんなことを書いてみたいと思います。
横浜市就職サポートセンター
wsy.city.yokohama.lg.jp/
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