プロジェクトオーナー
横浜市出身。NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ/NPO法人シャーロックホームズ理事。NPO法人アイデア創発コミュニティ推進機構副理事。前職の神奈川新聞社記者時代は、報道部・運動部・経済部・小田原支局などを担当。環境・教育関連の取材のほか、神奈川新聞社のウェブサイト「カナロコ」の立ち上げ・企画・運営に従事。2010年に退職後「当事者の情報発信」支援を軸に活動中。2012年神奈川県「NPOのための共感獲得実践セミナー」講師などNPO団体の広報・発信のサポートに取り組む。青山学院大学学校教育法履修証明プログラム修了認定ワークショップデザイナー。発達障害を抱える男児1人を育て中。
【第2日】「アンブレラ」という名前の意味〜「雨の時に寄り添い、晴れたらいらなくなる」そんな場所に
2016年5月9日
クラウドファンディング第2日目。とてもありがたいことに支援やメッセージをたくさんいただいています。
クラウドファンディングはお金を集めることが大きな目的ではありますが、それだけでなく「ここにこんなことが起きているよ」というメッセージを送ることができる機会だと、個人的に考えています。
「アンブレラ関内」という名前の由来についてきょうは書きますね。
当初「ソーシャルインクリュージョン・ハブよこはま」というカタカナチックな名前を考えていました。今ももちろん、コンセプトとしては変わっていないのですが周りの方から「それは何？よくわからない」という反応をいただきました。
もちろん「アンブレラ」という名前も「傘屋さん？」と勘違いされる可能性はあります。
けれども勘違いする程度に「アンブレラ」という言葉の方が「ソーシャルインクリュージョン」より、知られていますよね？
ではなぜ「傘」という言葉を選んだのか？
プロジェクト概要の本文にも書いたのですが、これは元・東京都副知事の青山やすしさん（明治大学大学院教授）の著書「10万人のホームレスに住まいを! 〔アメリカ「社会企業」の創設者ロザンヌ・ハガティの挑戦〕 」（2013、藤原書店）にあった「マルシェ・アンブレラ」という市場の名前からいただきました。
マルシェ・アンブレラは、2005年にアメリカ南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害にあったルイジアナ州ニューオリンズで、復興のために開かれた市場の名前です。
この本自体は、ハガティさんがニューヨークの貧困対策として社会企業を起こし、それがどのようなアイデアと調整のうえで発展してきたのかという軌跡が書かれている本です。「マルシェ・アンブレラ」という言葉は、1カ所にしか出てきません。
プロジェクトやウェブサイトの名前を考え続けている時というのは、ずっと頭からその問いが離れません。何をしていても頭の片隅に「どんなメッセージを名前に込めるか」という自問自答に明け暮れます。「これだ」としっくりくる言葉に出会うまで、図書館で本を「ザッピング」したり、白紙に当てもなく言葉を書きなぐったりします。
この「10万人のホームレスに住まいを! 〔アメリカ「社会企業」の創設者ロザンヌ・ハガティの挑戦〕 」は、名前について悶々としていた時、自宅近くにある「フォーラム横浜」で借りた本でした。「誰もが無理だと思っていたことをやりのけた女性」ということで「どんなことを、どのようにやり抜いたのだろう？」という興味から手に取り、借りたのです。
その本を読み進んでいて出会った「アンブレラ」という言葉は、シンプルだけれども意味が伝わるシンボルとして、私に響いてきました。
雨（脅威）を避ける。晴れたらたたむ。誰かと歩く。出入りは自由。そんなモチーフは、私が考えていた場にぴったりだと思えました。
ロゴデザインをお願いしていたのは、わたしが理事を務めるNPO法人「横浜コミュニティデザイン・ラボ」が運営するシェアオフィス「さくらWORKS＜関内＞」に拠点を置くプロダクトデザイナーの井上薫さんです。
井上さんはとてもユニークなTシャツブランド「inink」を1人で運営していて、最近では大手百貨店などでも商品の取り扱いがあります。
www.inink.jp/
井上さんが描いてくださったのがこの写真のロゴでした。傘が「home」にも見えるデザイン。「出入りが自由、囲い込まない場所」「それでいてくつろげる、温かい場所」というメッセージが明確に分かるデザインでした。
今回のプロジェクトのリターンにもこのロゴを生かした井上さんデザインのTシャツが準備されています。一番好きな色・オレンジに元気をもらいながら、いろいろな方々に「ボーダーラインの子どもたちの不安・悩み」について話をしていきたいと思います。
ぜひ、情報のシェア、ご支援をお願いいたします。
cf.yokohama.localgood.jp/project/umbrella-yokohamakannai
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