走らせよう!つづきブックカフェ~ひと・まちを本でつなぐプロジェクト~

本を届けることを通じ、幅広い年代の人たちが街に出てくるきっかけをつくりたい。
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募集終了

1,409,133
支援者
154
最低必要金額
1,000,000
目標金額
2,400,000
募集終了まで
0
達成率:
141%

プロジェクトオーナー

 はじめまして。
 私たちは去年11月25日「このまちに、ライブラリーバスを走らせませんか?」とよびかけました。8人のメンバーが集まり、その日のうちに実行委員会が結成されました。メンバーの紹介で小田原の川田製作所の川田俊介さんにお会いして、キャンピングカーをお借りできることになり、トントントンとプロジェクトは走り始めました
 むずかしくなくて、手軽に読めて、ふっと体が軽くなるような、心に灯がともるような、誰かと喋りたくなるような本。本の種類は、3時間のカフェの中で読めるような「絵本」が中心で、雑誌や写真集、話題の本も積んでいきたいと思います。
現代は子どもも大人もゲームやスマホなどデジタルの世界に圧倒されています。絵本の読み聞かせは人と人のふれあいの大切さも伝える場になると思います。また絵本の魅力は子どもだけのものではありません、実はお年寄りと相性がいいのです。文字が大きくて、絵も本格的で、読み切りで、お年寄りならではの深い味わい方ができる本がたくさんあります。絵本を仲立ちにすると、孫世代や若い人との関係がよりよくなると思います。
そんな絵本をいっぱい積んで、どこにでも行きたいなあと思っています。みなさんのこころざしを集めていけば、この街のシンボルになるような明るい色の「ブックカフェ号」が走って行って、毎日どこかでブックカフェが開かれて、笑い声が聞こえるまちになっている・・・。それも夢ではないと思います。
みなさま、愉快なプロジェクトの応援をどうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール
1987年船橋市から転居。1993年「緑区探検ウォーキング」代表として横浜市都市計画局主催「よこはま市民まちづくりフォーラム」実行委員会に参画。5ヶ月間市内23団体と熱気ある議論を重ねた経験は、「このまちしっぽまでおいしいよ」というキャッチコピーに。2000年、都筑図書館開設5周年記念事業の終了後、有志で「つづき図書館ファン倶楽部」が結成され現在に至る。つづきっこ読書応援団企画部、つどおうJiJiBaBa隊で活動中。2017年1月より自宅で「ふわり文庫」主宰。
10月24日 江幡

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スキルと物品の募集

  • 「ちょっとだけボランティア」

    運転手(特にマニュアル運転可能な方)、本を運ぶ、本の整理、カフェの用意、読み聞かせ、わらべうた、紙芝居、おしゃべりなど、開催場所でのよびこみPR、などできるボランティアを募集します。

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  • 「実行委員」

    ごいっしょに企画実行する楽しい仲間を求めます。

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  • 「車」と「本」

    ブックカフェに改造可能な車と、みんなにお勧めしたい本を募集します。(本は選定させていただきます。)

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  • 「拠点」と「駐車場」

    本の保管や事務作業ができる場所、車を常時停めておける場所を募集します。

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はじまりフォーラムでの下吹越さんの講演まとめました!

2018年11月7日
10月28日に都筑区のシェアリーカフェで行われた、つづきブックカフェ・はじまりフォーラム。
私たちが触発されて、動き出すきっかけになった下吹越さんのお話は、とても貴重で、みなさんで共有したいものでした。
メンバーが書き起こして、下吹越さんに確認いただき、ここにアップします。なんと4000字。
でもぜひ読んでください、そして私たちも応援お願いします。


つづきブックカフェはじまりフォーラム「下吹越かおるさんの講演」を書き起こしました!

彼女のスピーチは、その特徴的な苗字の自己紹介からフランクに始まった。明るい雰囲気がにじみ出ているこの『下吹越』という姓は全国に約400人程度しかおられない姓で鹿児島県指宿市がルーツなのだという。
今回、各地を旅してきたこのそらまめのブックカフェ号「そらまMEN」。図書に関する各要所で得がたい経験が出来たことを滔々と語った。その思い出の一つが、なごみカフェでのウッドデッキで食事をしながら見上げた月、とても美しい情景だったと振り返った。
我が隊長、江幡さんの試みや思いを深く汲み取ってくださり、今後の『つづきブックカフェ』の参考になるような役に立つような実体験をお話しして下さった。

 彼女の保育士歴は長く、地域のお話しおばさんとしても子どもの健やかな成長を現場で見守ってきた。大学での絵本研究会、某子どもの絵本出版社など、様々な関わりを密に取り、読書の重要性を切実に感じてきた。なによりも彼女を後押しする経験は、3人の子どもたちとの絵本体験。今回の長旅も末っ子の息子さんが支えている。下吹越さんは上の子が12歳になるまで子どもたちへの寝る前の読み聞かせを毎晩続けてきた。彼女はこう断言する、『絵本があったから芳醇な子育てができた』と。
本と子どもを繋ぐことがいかに大切かを知っていても、一人では改革はできない。彼女は学校司書さんたちと「図書館を支える会」を発足した。1年の運営を経ても当時の職員さんたちと心を合わせることは難しかった。そのことを残念に思うのは彼女だけではなかった。司書さんが意義を問う声をあげてくれたのである。「学校司書の切なる思いが伝わったのではないか」と彼女は言う。

 平成18年度にNPO法人本と人とをつなぐ「そらまめの会」を発足。その当時の運営の形に悩んだという。会社にするか、NPOにするか、ボランティアとして続けるか。ボランティアは基本方針が奉仕でありお金にならないため規模が限られる。会社にすると資本金が要る。彼女らの選択はNPOだった。
全国から5社応募がありそらまめの会に決まった。数日の間で引き継ぎがあり、NPO法人としての「そらまめの会」による運営がスタートした。「12年目に入り、第3次子ども読書推進活動策定委員会等の一員に係ることもできるようになってきました。10年、20年後、もっとその先の指宿図書館の未来を見ているのです」と、彼女は言う。

 これからは鹿児島県指宿市の実態と、そらまめの会の成果のお話になる。
彼女が訪ねた例として、中心街から車で2、30分かかるまちに行ってきたことを挙げられた。「指宿に図書館があることを知っていますか?」と聞く彼女の問いに手を挙げた児童は、クラスに2,3人しかいなかった。学校図書館の予算も残念な状態だった。買える冊数も限られており、学校では授業で使う本を優先で購入するため、児童の楽しい読書の場にはなりにくい側面もあった。まちの書店も実に寂しく、経営も厳しいので品ぞろえも期待できない状況だった。指宿市は、20年間まちを走ってきた移動図書館も諸々の事情で終了していた。このことが後の「指宿の子どもたちのために、ぜひ本を!」のそらまめの会の想いと重なり多くの共感と賛同を得ていくことになる。

 実際になにが起きたかというと、業界ではあまりにも有名なアカデミック・リソース・ガイドの図書館コンサルタントの岡本真氏の助言を受け、総務省の情報化アドバイザー派遣事業でのワークショップ開催で仲間を増やしたり、仲間の意識改革に努めた。そして、同じくARGの鎌倉幸子さんはじめスタッフ全員によるインターネット上での巧みな計画、及びナビゲートがあった。
また、多くの場所に自らの足で出向き協力を呼び掛けた。90日間のクラウドファンディングの成果は、およそ2か月で750万円を達成し、セカンドゴールを1,300万円に設定したが、最終的に約1,175万円に達した。その支援金で車を探し、購入し改造した。
そこからがブックカフェのカフェたる大躍進に繋がる。

 指宿駅周辺を明るくきれいにする会(指宿駅、駅周辺の人たち)は、常日頃から観光客などからの「コーヒーやお弁当を買える場所がもっと駅に近い場所にあればいい」との声を聞いていた。が、場所の確保や業者の招致などのことがあり悩んでいた。そこでブックカフェに白羽の矢が立った。ブックカフェの来れそうな日程表を出せば市観光課が無料で駅前広場を貸してくれると言ってきた。「この決定の一因が、そらまめの会の活動に賛同する地域の方々であり、結果、市を巻き込めたのは良かった」と彼女は話す。

 次は選書に関するお話。
郷里の本を必ず入れるという話もあるが、外国の本も入れるというのが印象に残った。国際交流、世代交流が円滑に行われ、お年寄りが子どもたちに読み聞かせをする姿は微笑ましくも美しい。お年寄りの読み聞かせに子どもたちは喜んで本の世界へと入っていける。下吹越さんは、ある日一人のおじいさんに「はないちもんめって、どんな意味かな?もんめって、重さの単位だよねえ」と質問され、答えられなかった為レファレンスとして持ち帰り、意味を調べて後日回答したのだという。なんでも、『花』とは少女の買春を意味しており、昔の時代の悲しさを、しばし二人で想ったのだという。彼女はこのような交流をいとしく大事に思っていると言う。

 今後のブックカフェの発展形を計画している。今『つづきブックカフェ』でも検討しているリターンの『一日店長権利』をさらに膨らませた案だ。具体的に、5万円の支援者の特典として、一日ブックカフェの店長として活躍してもらうというものだが、これだけでは希望者に限界がある。活用例として彼女は3例ほど挙げた。

・会社の設立50周年記念等として、絵本を作る。『創業者はリアカーで商品を運んでいた』など、歴史をわかりやすく親しみも持てるように絵本制作する。場所もとらないし、関連書籍をブックカフェに積み、カフェ機能で飲み物も提供できる。

・金婚式とか、還暦のお祝いとかに、奥様にラブレターを紙芝居という形にして、家族みんなで祝う。

・子どもの誕生日に、皆でお祝いの気持ちをこめ絵本を作り、ブックカフェ一台まるごとドンとお祝いにかけつけ、その場でサプライズで音楽付き朗読をして手渡す。そして記念写真を撮る。

などであった。

 活用例で出てくる手作りの『絵本』『紙芝居』だが、質疑の後に訊いてみると、大よそ10万円パックくらいで、作画から製本までそらまめの会が一手に自主制作するという。絵本作家に頼むわけでもなく、作画はもちろん製本は一定の技術がないとできない。「それは相当すごいですね」と感嘆すると、「本の専門家が揃っていますから」と爽やかに下吹越さんは答えた。

今、実際に来ているオーダーは、障害をもつ親御さんからの手作り絵本のオーダーだと言う。
未熟児で産まれ数々の手術に耐え、歩けなかった子どもたちの『歩けるようになったよ!』という声や、そういう子どもが将来働ける会社の設立を心から願っている親御さんをサポート出来たらと。
今までは光が届かなかった所にスポットを当てる。それは彼女のライフワークそのものだ。

 ここからは運営の金銭的なアドバイスになる。
ブックカフェで市の教育機関等に出かけるたび、もどかしさを感じ、無償でやることの限界を感じていた。ボランティアでは続かない、「公は公が責任」という言葉に絡めとられる。維持を計算していかないと、この試みは成功しない。概算で約年間150万円~200万円あれなんとか維持できる。1万円の支援者を150人にしてもらうとして、ピンポイントでは間に合わない。より多くの方々の支援が必要となる。
そらまめの会の今回のクラウドファンディング成功の秘訣の一因は、地元の企業であった。その企業が、設立50周年を迎え、約200万円の予算を組んでいた。そのすべてを講師謝金と飲食代、記念品などで消耗するか、そらまめの会に委ね子どもの未来に貢献するかという話である。この金額が加算されると支援金が600万円台になると、旗色が変わった。これを下吹越さんは『シャッフルする』と表現した。その金額は、約1,170万円台にふくれあがった。その内7割の約600万円は地元の人たちからの支援だった。指宿のインターネット普及率は約20%と聞いていた。つまりネットを介さずに支援している人が沢山いるということである。このからくりはいかに。会計事務所の専務が支援してくださりそうな方々のもとに共に足を運び、共にお願いをしたのだった。ある病院では『子育てに絵本は大事』というテーマに強く共感してくれた事務局長が院長に交渉して、現金で50万円を支援してくれた。「確認してください」と言われた、手が震えたと言う。
その金額を代理振り込みした。今はまだ継続支援は少ないが、現金で寄付してくださった方々はほぼカード決済をしないので、今後はそれぞれの支援者の所まで歩いて回って声を掛け続けていくという。

 最後に、彼女はこのブックカフェの意義と子どもの読書推進の思いを語られた。

 熊本への訪問では、まだ500棟の仮設団地に800人の人たちが今もプレハブで生活をされている現場も目の当たりにした。ブックカフェ号は出向いて行ったが、数人しか参加されなかった。そのことに、熊本の皆さんがまだまだ深い傷を背負ったままなのだなぁと痛惜したと言う。
福岡の朝倉の幼稚園にあった図書は流されたという。だが、市の移動図書館車が本を運んでくれていて助かっているという。これから先には、少しずつ本を揃えたいと話されていたとのこと。帰ろうとすると子どもたちがお礼にと、ダンスやマーチング、太鼓の演奏をしてくれた。その演奏は40分に及んだという。その姿に胸が一杯になった。
その後、別府の特別支援学校にも行った。苦難の多いなかでの、その健気な姿に胸をうたれ、責任をもって児童会長に就いた子を感極まって抱きしめた。まわりの温かな目。愛おしい瞬間があった。
大阪では高槻文庫連絡会よる読書推進に元気をもらった。それぞれの家庭文庫が連携し民間の図書館として機能しているというのだ。鍋釜お茶わん持参でお鍋をもてなしてくれた。皆、底抜けに明るい人たちだった。

 こういう様々な人の手により、枝の末端まで読書が浸透することがそらまめの会のなによりの望みであり、子どもが『楽しかった!』と思える環境が、正しい読書環境ではないか。無理に子どもに勧めないのも大切である。読書はあくまで自由なのである。
1時間半ブックカフェがいても、本にも興味を示さずなにもしないで歩き回る子どももいる。そういう様子を見ていると、この子はどうやって育ってきたのだろう、と心配になる。選書できない子は周りの大人の責任ではないか。選書とは自分との対峙であり、アイデンティティの確立なのである。それは経験であり、経験のなかから自分は何者なのかを知っていくのではないか?そんな読書体験の場にブックカフェがなれたらと思う。読書は自立した住民をも育てていくはずである。

 ここからは質疑の回答。

 保育園、幼稚園、学校の先生方は仕事に押し迫られ、ふだん読み聞かせをしたくてもできないことが多いが、ブックカフェが来るとそのよみきかせのきっかけになる。大事なのは、外部の人間ではなく、そこにいる同士でのコミュニティに任せることである。また、外での大声を出し合いながらの読書は静けさを求める図書館ではできないことだ。集団で本を読むということ。皆で話し、発見する。その『知る喜び』があるブックカフェは素晴らしい場ではないだろうか。知って、楽しんで、習得する。思惟が積み上げられ、『自ら求め、自ら得ている』。それこそが、読書体験なのだと下吹越さんは考えている。

『本の置き場所はどうしているのですか?』の答。
普段は500冊を運用している。
本の保存に適した箱に詰め積む分には500冊はそんなにかさばらない。

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